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業量平準化を目的とした発売日検討

2018年1月26日

合同流通改革プロジェクトの活動

 日本雑誌協会、日本出版取次協会は、2017年4月から合同で立ち上げた「流通改革プロジェクト」(略称:合同PT)で出版流通を維持するため、あらゆる視点から議論をしてまいりました。出版流通は全国約80%のエリアで共同配送を行っており、他業界の共同物流の先駆けとして効率的な仕組みを築いてきました。しかし、それが昨今の市場環境の変化により厳しい状況にあります。
 合同PTでは、出版社、印刷・製本、取次、輸送、小売店など出版業界に携わるそれぞれのプレーヤーの立場にとどまらず、雑誌読者、消費者の目線に立った角度から議論し、将来に向けた多元的な道筋を探り話し合いを重ねてきました。
 今回は、その方策の一つを提案したいと考えます。今起きていることと、将来の可能性について、出版業界の各位に事態認識を共有、深めていただくことをお伝えしたいと考えております。出版流通を維持するため、業界の各プレーヤーの皆様にご対応いただきたく、お願い申し上げます。

業量平準化を目的とした発売日検討

 これまで、出版業界を支えてくだっている皆様より、ご要望を頂戴している日別業量の平準化に向けて、具体的な効果を見いだせる方策に出版各社も踏み出します。
 業量平準化そのものは古くて新しい出版流通の課題です。全体の業量が想定以上に減少する現況下で、このテーマへの対応が必須という情勢になっています。
 現在、出版市場の発行量はピークとボトムでは約5倍の差があります。日々の業量の波が、印刷・製本、取次、輸送、小売店での作業にとって、非常に非効率な状態を生み、それぞれの経営問題にもつながりかねないファクターになっています。発売日の実態を見ますと、性格が似た雑誌が同一の発売日になっており、またひと月では20日以降に全体の約60%が出荷、発売されています。
 業量平準化をめざす、その具体的なアプローチのひとつとして、発売点数、発売冊数、重量が集中する発売日の雑誌の一部を他の発売日に移動し、その結果を検証することになりました。現行、発売されている雑誌の一部を他の発売日に移動する試みですが、私たちは、それを「実証実験」と位置づけ、全体の業量平準化へ向けて、その端緒を開こうと試行いたします。
 発売日は、出版社の責務で決めることが原則です。この問題は、すべての出版業界の各分野、各プレーヤーに関係することだけに、慎重に対応していく必要があります。
 なお、1月25日に関連出版社がこれについて協議を行い、協力していくことを確認いたしました。

読者・消費者の目線が基本です

 雑誌は、世界的に読者が主役のメディアといわれています。“愛読者”という言葉がシンボリックといえるでしょう。ITイノベーションを背景に、メディア環境は激変しています。この変化をしっかり受け止めていくことが出版の未来を拓くことにつながる、と確信しています。

(お問い合わせ)
日本雑誌協会 事務局
℡03⁻3291⁻0775